No.4 非抜歯のブラケット&マウスピースによるコラボレーション症例(補綴物の幅を減少することで歯を削らない対応をした症例)
上下顎前歯部叢生
20代女性 習志野市奏の杜
『上下の前歯の排列を治したい。インビザラインで治療をしたい。』という主訴でした。
上下顎共にマウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療も可能でしたが、
上顎に短期間唇側ブラケット装置を装着することで、マウスピース型矯正装置(インビザライン)単独で治すよりも早い改善を目指しました。
まず、一般歯科にて、小臼歯部補綴物の幅径を減少させて、隙間をつくりました。この隙間を利用して、矯正治療で歯の叢生を改善していきます。
そして、上顎は表側矯正装置を装着して治療をスタートしました。
上顎右側1番が短根であった為、歯根吸収のリスクに配慮しながらゆっくりと動かしていきました。
顔面正中に上顎正中を一致させ、奥歯の噛み合わせを良好にするために上顎左側に歯科用アンカースクリューを埋入しています。
上顎右側1番の捻転が解消された段階で表側矯正装置を外し、上下顎でのマウスピース型矯正装置(インビザライン)を始めました。
全治療期間は1年10ヵ月でした。
このようにブラケット装置とマウスピース型矯正装置のコンビネーション治療は、治療期間を短縮することがあります。
また、一般歯科治療とのコラボレーションで、臼歯部に補綴物がある場合、天然歯を削るのではなく、補綴物の幅を減少させて作った隙間を歯並びを整えるスペースに利用する症例もあります。
天然歯を削るよりは、被せた人工補綴物を削る方が健康的で、お勧めな治療方法です。
症例紹介
診断名:上顎右側1番短根を伴う上下顎前歯部叢生症例
年齢:20代 治療期間:1年10ヵ月 治療回数:21回
治療に用いた主な装置:
◎マウスピース型矯正装置(インビザライン)
◎上顎のみ短期間のセラミック製表側矯正装置
◎歯科用アンカースクリュー
抜歯部位:なし(非抜歯)
治療費:¥756.000-
リスク・副作用:
上顎右側1番は短根なので、矯正治療によって歯根吸収が進むリスクがありました。時間をかけて弱く持続的な力を加えることで歯根吸収リスクを回避することができました。