透明で取り外し可能な
マウスピース型矯正装置(インビザライン)
Invisalign

アメリカのアライン・テクノロジー社で1997年に開発された、透明で取り外し可能なマウスピース型の矯正装置です。インビザラインは世界的にも普及しており、全世界で1,300万人以上(2022年6月時点)の治療実績があります。
まず、歯型のデジタルデータをもとに、コンピューター上で3Dシミュレーションを作成します。シミュレーションは歯科医師の入念なチェックと修正を受け、どのように歯が動くことになるのか患者さまと一緒に確認します。
矯正治療のステップ数は症例によって変わりますが、平均で36~48ステップのシミュレーションになります。ステップごとにマウスピース型矯正装置を作製し、患者さまにお渡しします。
矯正装置は1日20時間以上はめていただき、2週間ごと(慣れてきたら10日ごと)に次のステップの矯正装置に交換します。これによって歯が徐々に動きます。
※マウスピース型矯正装置(インビザライン)は薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)のメリット

装置が透明なので目立たない
金属でできたワイヤー矯正装置と異なり、マウスピース型矯正装置は透明感があり目立ちません。周りの人にもほとんど気づかれずに矯正治療ができます。

装置を自分で取り外せる
マウスピース型矯正装置は、簡単に取り外しができます。
食事のときに好きなものを食べられるほか、食後の歯磨きもいつもどおりできます。

金属アレルギーの心配がない
軟らかいプラスチックで作られた装置なので、金属アレルギーをおもちの方も使用できます。

型取りが不要
歯型を取る際、当院ではデジタル口腔内スキャナーiTeroを使用します。印象材を使わないので、嘔吐反射のある方も不快感がなく安心です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)のデメリット
1日20時間以上の装着が必要
マウスピース型矯正装置を1日20時間以上装着していないと、計画どおりに治療が進みません。
インビザラインは、患者さまのご協力と自己管理が不可欠となります。
適応できない症例がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の適応症例は、日本矯正歯科学会より指針が示されています。患者さまの症状が適さない場合は、インビザラインの治療ができないことがあります。
【推奨される症例】
-
1非抜歯症例で、以下の要件を満たす症例
・軽度の空隙を有する症例
・軽度の叢生で歯列の拡大により咬合の改善が見込まれる症例
・大きな歯の移動を伴わない症例 - 2矯正治療終了後の後戻りの改善症例
- 3抜歯症例であっても歯の移動量が少なく、かつ傾斜移動のみで改善が見込まれる症例
- 4金属アレルギーを有する症例
【推奨されない症例】
-
1抜歯症例
・犬歯が遠心傾斜している症例
・前歯部が大きく舌側傾斜している症例
・歯の大きな移動を必要とする症例
・大きな回転、圧下・挺出を必要とする症例
・患者の協力度が低い症例 - 2乳歯列期、混合歯列期で顎骨の成長発育や歯の萌出の正確な予測が困難な症例
- 3骨格性の不正を有する症例
マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療ができそうな場合は初診相談時にお話します。治療の最終決定は、診断のときにお伝えします。目立たない矯正装置をご希望されるもののインビザラインでの治療が難しい場合は、舌側矯正をおすすめすることがあります。
小回りがきかず治療期間が延びることがある
アクシデントによって計画どおりに歯を動かせなくなった場合、再びマウスピースを作製します。こうしたケースでは治療期間が延びることがあります。
また、マウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療が難しくなったときには、ワイヤー矯正装置に切り替えて治療を継続することになります。
舌側矯正×マウスピース型矯正装置(インビザライン)のコラボレーション治療

当院では、目立たない矯正装置のままスムーズに治療を進めるために『舌側矯正』と『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』を組み合わせた矯正治療を行なっています。まず、治療の前半ではワイヤー矯正装置を歯列の裏側に取りつける舌側矯正をし、歯を大きく動かします。そして後半では、歯列の細かい調整を得意とするインビザラインに取り替えて治療を継続します。 舌側矯正とインビザラインはどちらも装置が目立たず、口元がずっと気になりません。さらに、当院では舌側矯正からインビザラインへの交換を無料で行なっています。実際、舌側矯正を受けた患者さまの多くが、治療の途中からインビザラインに取り替えています。とても人気のある治療方法ですので、関心のある方はお気軽にご相談ください。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の注意点
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は「取り外しができる」という特徴があります。
患者さま自身で取り外せるのは大きなメリットでもありますが、基本的に食事と歯磨き以外(1日20時間)は装着していただきます。装着時間を守れないと治療が計画どおり進められないため、しっかり自己管理していただく必要があります。
また、インビザラインは治療計画を立てた際、治療が終わるまでに使用するマウスピース型矯正装置をまとめて作製します。
もし、歯の動きが計画どおりにならなかった場合、もう一度歯型を取って追加の装置を作ることになります。
当院では平均して2~3回、追加で装置を作製して目標とする噛み合わせに近づけていきます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)についてよくある質問
子どもでもマウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療を受けられますか?
永久歯が完全に生えていない中学生くらいまでのお子さまには、インビザラインをおすすめしていません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)をつけたままお茶やコーヒーなどを飲めますか?
高温の飲み物は装置を変形させる原因になりますので、お控えください。また、常温であってもジュースなど糖分を含む飲み物は虫歯の原因になるほか、お茶やコーヒーも着色や汚れにつながるのでおすすめしません。
装置をつけたまま喫煙しても大丈夫ですか?
タバコを吸うと装置が汚れるので、装着中は喫煙しないことをおすすめします。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療を受けられないケースはありますか?
インビザラインを適用できない症例もあります。推奨されない症状の患者さまが無理にインビザラインで治療を受けると、治療がうまく進まず理想的な歯並びにできない可能性があります。
治療期間はどのくらいになりますか?
症状によって異なりますが、およそ2~3年です。
一般的なワイヤー矯正治療よりも治療期間は長くなりますか?
計画どおりに治療が進めば、ワイヤー矯正治療と治療期間は変わらないといわれています。
しかし、理想的な噛み合わせを目指すと追加でマウスピースを作製するケースが多く、結果的に治療期間が長く感じられます。
また、装置を1日20時間以上装着しなければ計画的に治療できなくなることがあるほか、矯正期間中に虫歯にかかると治療計画に変更が生じるため、治療が長引きます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)はデメリットが多いのでしょうか?
インビザラインの治療技術は進歩しており、治療の確実性や適応症例などが改善しつつあります。 当院では、適応症例のみにインビザラインを適用しています。そのため、インビザラインでは理想的な治療ができないと判断した場合は詳しくお伝えし、ほかの治療方法をご提案します。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・装置に慣れるまで発音しづらいなどの症状が出ることがあります。
・矯正装置を装着している期間は、適切に歯磨きができていないと、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。歯磨き指導をしますので、毎日きちんと歯を磨き、口腔内を清潔に保つようご協力をお願いします。
・歯磨き、エラスティック(顎間ゴム)の使用、装置の取り扱い、通院などを適切に行なっていただけない場合、治療の期間や結果が予定どおりにならないことがあります。
・成長期の患者さまの治療では、顎骨の成長を予測し、現段階において適切な治療を行ないますが、まれに予期できない顎の成長や変化によって治療法や治療期間が大きく変わることがあります。また、顎の変形が著しい場合には、矯正治療に外科的処置を併用することがあります。
・歯を移動させることにより、まれに歯根の先端がすり減って短くなる『歯根吸収』を起こすことがあります。しかし、適切な矯正力で歯を移動させることでセメント質(歯根表面を覆っている組織)が修復されるため、歯根吸収のリスクを軽減できます。
・歯の周囲の組織は、治療前の状態に戻ろうと『後戻り』する性質があるため、治療後も数ヵ月から1年に1回ほどの頻度で通院いただいて歯の状態を管理し、後戻りを防ぐ必要があります。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
・症状によっては、マウスピース型矯正装置で治療できないことがあります。
・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
・食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
・治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
・お口の状態によっては、マウスピース型矯正装置に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
当院でご提供しているマウスピース型矯正装置『インビザライン』は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
○未承認医療機器に該当
薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて10月13日最終確認)。
○入手経路等
インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。
○国内の承認医療機器等の有無
国内では、インビザラインと同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2022年10月13日最終確認)。
○諸外国における安全性等にかかわる情報
現在世界100カ国以上で提供され、これまでに1,300万人を超える患者さまが治療を受けられています(2022年6月時点)。情報が不足しているため、ここではインビザラインの諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
なお、日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。