No.2 【出っ歯・口ゴボの改善】「なるべく歯を抜きたくない」ご希望に寄り添う、上顎のみ抜歯のフルリンガル症例(10代女性・習志野市谷津)
■ 「口元は引っ込めたいけれど、抜歯には抵抗がある」というお悩み
千葉県習志野市谷津よりご来院いただいた、10代女性の患者様の症例です。
専門用語で「上顎前突」と呼ばれるいわゆる「出っ歯」の症状でした。上の前歯が突出していることで口元全体が前に出る「口ゴボ」のような状態になっており、口が閉じにくく無意識に「口呼吸」になってしまうとお悩みでした。
しかし、患者様には『前歯の突出感は治したいけれど、健康な歯を何本も抜くのにはどうしても抵抗がある』という強い思いがありました。
■ 複数の治療プランの提示と、お顔の仕上がりシミュレーション 当院では、医院側の一方的な考えで抜歯を強要することは決していたしません。
診断の結果、今回は患者様に以下の2つの治療プランをご提示し、それぞれの「お顔の変化(メリット・デメリット)」を丁寧にご説明しました。
① 上下の小臼歯(計4本)を抜歯するプラン 下顎の歯も抜歯するため、口元全体を大きく後ろに引っ込めることができます。
② 上顎の小臼歯(計2本)のみを抜歯するプラン 下顎は抜歯せずに少しだけ歯を削って整える(IPR)にとどめます。
①に比べて前歯を下げる移動量が少なくなるため、口元の引っ込み方がマイルドになり、「引っ込みすぎ」を防ぐことができます。
患者様とじっくりコミュニケーションをとり、ご本人の「できる限り歯を抜かないで治したい」というご希望と、「少しマイルドな口元の変化(引っ込みすぎないお顔のバランス)」が合致したため、今回は②の「上顎のみ抜歯」のプランを選択いたしました。
■ アンカースクリューの活用と、MFT(トレーニング)の重要性
上顎のみの抜歯であっても、「歯科矯正用アンカースクリュー」を固定源として併用することで、前歯をピンポイントで確実に後ろへ下げ、しっかりとした口元の変化を出すことが可能です。
装置が見えないフルリンガル(上下裏側矯正)で治療を行い、鼻先と顎を結んだE-line(イーライン)に綺麗に収まる、審美的で美しい横顔(側貌)を獲得できました。
また、本症例では無意識に舌を前に出してしまう癖(嚥下時の舌突出癖)があったため、後戻りを防ぎ長期安定を目指すための「MFT(口腔筋機能療法)」が必須でした。
全治療期間を通して患者様が正しい舌の位置の習慣化(トレーニング)に積極的に取り組んでくださったおかげで、機能的で美しい噛み合わせが達成できました。ご協力、本当にありがとうございました。



【症例データ】 診断名: 上顎前突 (※患者様のお悩み:出っ歯、口元の突出感、口呼吸、抜歯への抵抗)
年齢: 10代 治療期間: 2年5ヶ月 治療回数: 26回
治療に用いた主な装置: ◎歯科矯正用アンカースクリュー ◎フルリンガル(上下顎:カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置 WIN) 抜歯部位: 上顎両側4番のみ(下顎は非抜歯・若干のIPRを実施)
治療費: ¥1,080,000-(通院費¥5,400~¥5,500別)
リスク・副作用: 上の前歯を後方へ移動させるケースでしたので、歯の根が短くなる「歯根吸収」のリスクが伴いました。当院ではこのリスクを回避するため、定期的にデンタルレントゲンやCT撮影を行って歯根の状態を細かく確認しながら、歯に負担をかけない「弱く持続的な矯正力」で丁寧に動かして治療を完了しています。