口呼吸を鼻呼吸に治すために ①癖を治す
■なぜ口呼吸になるの?
口呼吸の原因はいろいろありますが、鼻に問題がある場合、歯並びが悪くて物理的に口を閉じることができない場合、口の周りの筋肉が弱くポカン口が癖になっている場合があります。
以下に詳しく記しますが、ここでは『癖』になっている場合についてのスライドを作成しました。
①鼻がつまっていて、口呼吸をするケース
花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの鼻の病気により鼻がつまり「鼻呼吸」がしづらいために「口呼吸」になってしまうケースがあります。
10歳までに拡大床で歯列拡大をすることで鼻腔が広がり改善するケースもあります。耳鼻科への紹介が必要なケースもありますので、一度ご相談ください。
②歯並びに問題があるケース
出っ歯など歯並びがよくないために、力を入れないと口を閉じることができない人は、歯並びを治すことを先に行います。お母さんたちから、こんな相談をよく受けます。
「みっともないから、お口閉じなさい!!って、何回言っても口が開いているんです。」
お母さん、着眼点がステキ!でも、口が閉じられないくらいの出っ歯なのかも。
口を閉じたときにアゴのところに、シワが出ていたら、それは無理な力を入れないと口が閉じられないってことです。無意識の時にはポカン口。寝ている時は、力を入れることなんてできないですから、ポカン口。まずは物理的に口を楽に閉じられるように歯並びを治しましょう。
③口呼吸が癖になっているケース
そして一番多いのが、今回のスライド、舌や口の周りの筋肉が弱いことが原因で口呼吸をしてしまうケースです。
このパターンの口呼吸を治すためには、口のまわりの筋肉と舌の筋肉を鍛えることが有効です。
口呼吸のままにしていると、歯並びも悪くなっていき成長不全を引き起こします。低年齢の方は、まず癖を治すことが一番大切です。
■癖を治すためのトレーニング方法
★徹底的なMFT(口腔筋機能療法)
★リップルトレーナーによる口唇圧機能向上
★T4K,T4A(物理的に癖を治す装置)を装着
当院では 低年齢の子供の矯正治療には『癖を治すためのトレーニング』を行っています。
まず、MFT(筋機能療法)で低位舌、異常嚥下癖、口唇癖などの癖を取り除くこと。そして、唇の閉鎖する力を向上させるためにリップルトレーナーを使用しています。最後に、それでも治らない場合は、T4K,T4Aなど機能的矯正装置を使用します。
癖は、お母さんも私も衛生士も、無くて七癖、みんな持っているものです。なかなか治らないから癖なんですよね。癖に自ら気付き、衛生士さんと楽しみながらMFTトレーニング、治したいと思う心を育てることに力を入れています。
1.舌 -低舌位・異常嚥下癖ー
口呼吸などで「低舌位」になると発音にも問題が起こってきます。
低舌位とは、舌全体が下がってきている状態。「サ・タ・ナ・ラ行」が発音しにくくなり、いわゆる舌足らずな話し方になります。
低舌位などから異常嚥下癖が引き起こされ歯並びや顔つきの形成にも影響が出てきます
異常嚥下癖により頬や唇に部分的な強い力が加わるため、あごが引っ込み出っ歯になったり、あご自体が小さくなるなど、歯並びの乱れを引き起こします。
また、あごの成長不全により、顔つきの形成にも影響が出てしまう可能性も。 その他にも、食べ物をこぼす、くちゃくちゃと音を出す、食べるのが遅いなど傾向が出てきます。
2.唇
唇を咬む癖です。特に多いのは下唇を咬む癖です。
下唇を咬むと、上顎前歯は出っ歯になり、下顎前歯はガタガタになります。矯正治療の後戻りにも大きく影響をする癖でもあります。
口唇癖は、口唇圧(唇を閉める力)の向上と、癖を治そうとする気持ちを育てること、2つが大切です。指しゃぶりと同様、精神的な安定を得ている場合もありますので、時間をかけて注意深く治す必要があります。