No.2 フルリンガルで歯科用アンカースクリューを使用した上顎のみ小臼歯抜歯した症例
上顎前突 舌側矯正治療
10代女性 習志野市谷津
『前歯の突出感を治したいが、歯を抜くのは抵抗がある』という主訴でした。
上顎前歯部が前突しているために口が閉じにくく口呼吸でもありました。
診断時に
①上下顎小臼歯抜歯の治療プラン
②上顎のみ小臼歯抜歯の治療プラン
と2プランを提示させていただきました。
2つのプランでは、上顎前歯後方移動距離に差が出ます。②上顎のみ小臼歯抜歯は「口元の引っ込み方」がマイルドになります。(つまり下顎の小臼歯を抜歯した①の方が、下顎前歯部も大きく引っ込み、その分それに合わせる上顎前歯の後方移動量が多く設定できるというわけです。)
患者さんご自身は、「できる限り歯を抜かないで治したい」というご希望があり、②のプランを選択されました。
上顎のみ両側4番抜歯して(下顎は若干のIPRを行い)上だけの抜歯でもしっかりとした口元の変化を出すことができました。歯科用アンカースクリューを用いた舌側矯正治療(フルリンガル・裏側矯正治療)でE-line内におさまった口唇と審美的な側貌、そして機能的改善が達成されました。
嚥下時の舌突出癖があった為、長期安定を目指すためにはMFTが必須です。全治療期間行うMFTなど、正しい舌位の習慣化により、機能的で美しい咬合と側貌を獲得することができました。ご協力本当にありがとうございました。
【症例紹介】
診断名:上顎前突
年齢:10代 治療期間:2年5ヶ月 治療回数:26回
治療に用いた主な装置:◎歯科用アンカースクリュー ◎カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置 (WIN)
抜歯部位:上顎両側4番
治療費:¥1080.000-(通院費¥5.400~¥5.500別)
リスク・副作用:上顎前歯を後方移動するケースでしたので、歯根吸収のリスクがありました。定期的にデンタル・CT撮影をさせていただき、歯根の状態を確認しながら、弱く持続的な矯正力をかけることで回避致しました。